■2015年公開講座内容
文京遺跡から学ぶ(11)―遺跡・遺構・遺物の見方を学ぶ(2)―
愛媛大学の城北キャンパスの地下には、縄文時代から中世まで連綿と続く複合遺跡である文京遺跡が眠っています。特に今から2,000年ほど前の弥生時代の大規模集落として知られています。愛媛大学は、文京遺跡の調査を継続して行っていますが、これまで、大量の土器や石器などが出土しています。今回の講座では、出土した資料・データを出発点として、どのような愛媛の地域文化や歴史が明らかにできるかを学びます。
日時 | 10月10日/24日/31日、11月7日/14日(土) 13:30~16:30 (3時間×5回の計15時間) |
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会場 | 愛媛大学法文学部講義棟1階演習室1※公共機関をご利用ください。5回目の会場は変更となります。第4回目にお知らせします。 |
受講料 | 無料 |
定員 | 30名(先着順) |
対象 | 一般市民 |
文京遺跡における発掘調査では、多数の竪穴建物や掘立柱建物などが見つかり、大量の土器や石器が出土しています。これらの遺構・遺物は、当時の姿を雄弁に物語る資料ではありますが、観る者が働きかけなければ、何も語ってくれません。第1~4回の講義では、絵画土器・分銅形土製品、製塩遺跡、製鉄遺跡、縄文時代~古墳時代の土器、地層を取り上げて、実物資料に触れながら遺構・遺物の見方や見分け方について解説します。最終回である第5回は、受講者の質問を受けながら、再度解説・討論します。
日時 | 講師 | タイトル | 概要 |
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10月10日(土) | 柴田昌児 | 「絵画土器・分銅形土製品の見方―弥生時代の造形表現―」 | 文京遺跡ではシカや船を描いた絵画土器や人物の顔面を表現した分銅形土製品が出土しています。どのような表現方法で描かれ、何のために作られたのでしょうか。実際の土器や土製品を観察しながら、弥生時代の造形表現を読み解き、弥生人の精神社会を考えていきます。 |
10月24日(土) | 三吉秀充 | 「地層を見分ける―住居跡・高床倉庫跡・畠跡・水田跡―」 | 発掘調査では厚く堆積した各地層の年代を決め、住居跡や高床倉庫跡、畠跡や水田跡などを特定していきます。なぜ地層の年代がわかるのでしょうか? なぜ住居跡だとわかるのでしょうか? 畠と水田をどうやって見分けるのでしょうか? 文京遺跡から切り取った資料などを使いながら地層の見分け方について解説します。 |
10月31日(土) | 田崎博之 | 「土器を見分ける―縄文時代・弥生時代・古墳時代―」 | 文京遺跡では縄文時代~鎌倉時代のさまざまな土器が出土しています。それぞれ時代によって形や文様、つくられ方が異なります。文京遺跡から出土した土器に実際に触れながら、縄文時代、弥生時代、古墳時代などの時代ごとの特徴と、土器がつくられる時代背景を探ってみましょう。 |
11月7日(土) | 槙林啓介 | 「鉄と塩の生産遺跡の見方」 | 私たちにもそうであるように、文京遺跡やその周辺の人々にも鉄や塩は重要でした。その鉄や塩は、遺跡のなかにどのような痕跡を残しているのでしょうか。そして、考古学はそれらをどのように発掘調査するのでしょう か。本講座では、鉄と塩の生産遺跡の見方について、実際の遺物などを前にしながら、議論していきます。 |
11月14日(土) | 田崎・柴田・槙林・三吉 | 「討論」 | 第1回~4回における受講者の質問を受けながら4名の講師が、遺跡・遺構・遺物の見方・見分け方について再度解説を行います。 ※なお、この公開講座の案内については、下記のホームページでもご覧いただけます。 http://maibun.adm.ehime-u.ac.jp/ |
■申込方法
埋蔵文化財調査室まで、氏名・住所・電話番号・Emailアドレスをお電話にてお申し込みください。