■2016年公開講座内容
文京遺跡から学ぶ(12)―研究の最前線―
愛媛大学の城北キャンパスの地下には、縄文時代から中世まで連綿と続く複合遺跡である文京遺跡が眠っています。特に今から2,000年ほど前の弥生時代の大規模集落として知られています。今回の講座では、出土した資料・データを出発点として、研究の最前線を紹介していきます。
日時 | 11月12日/19日/26日、12月3日(土) 13:30~16:30 (3時間×4回の計12時間) |
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会場 | 愛媛大学法文学部本館2階中会議室※公共機関をご利用ください。第4回目のみ共通講義棟B202会場は変更となります。 |
受講料 | 無料 |
定員 | 30名(先着順) |
対象 | 一般市民 |
日時 | 講師 | タイトル | 概要 |
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11月12日(土) | 柴田昌児 | 「弥生土器で探る人々の暮らし」 | 多くの人々が集まり、暮らしていた文京遺跡では、受け口状口縁で上げ底の甕と口縁部に凹線文が施された平底の甕が出土します。これは、それぞれの甕をつくる人々がいたことを示しています。彼らは大規模集落である文京遺跡の中でどのような場所に住み、どのような関係をもって生活していたのでしょうか。出土した弥生土器の形や文様、製作技法、出土場所から考えてみましょう。 |
11月19日(土) | 田崎博之 | 「虫眼鏡・顕微鏡で探る人々の暮らし」 | 埋蔵文化財調査室では、当時の人々の食生活を知るため、竪穴建物を埋める土壌を採取し、水洗いしながら篩(ふるい)にかけ、微細な食物残滓を採取してきました。その結果、考えられてきた以上に、集落の中にコメがあふれていること、ムギなどの雑穀はコメと比べて少ないことを明らかにできました。と同時に、幅1~5㎜ほどの小さな石の破片が非常に多く出土しています。サヌカイトや赤色頁岩などの道後平野にはみられない石材です。なぜ、そうした小さな石の破片が出土するのでしょうか? 小さな石の破片を虫眼鏡や顕微鏡で観察する中から、その答えが見えてきました。 |
11月26日(土) | 三吉秀充 | 「縄文時代の地層を探る-畠跡の発見-」 | 道後城北遺跡群では、弥生時代~古墳時代の遺構・遺物が出土する地層の下に、黄褐色の地層が堆積しています。場所によっては2~3mの厚さで、縄文時代の地層であることが分かっています。その中には、当時の地表面と考えられる淡い暗褐色の地層が挟まれています。地表面であれば、縄文時代の人々の様々な活動痕跡が残されているはずです。文京遺跡45・60次調査では、淡い暗褐色の地層に含まれる砂礫、小さな土の塊に着目した調査・研究を行うことによって、畠跡であることが分かってきました。講座では、具体的な観察方法と調査成果を解説します。 |
12月3日(土) | 田崎・柴田・三吉 | 「討論」 | 第1回~3回における受講者の質問を受けながら3名の講師が、最新の研究成果について再度解説を行います。 ※なお、この公開講座の案内については、下記のホームページでもご覧いただけます。 http://maibun.adm.ehime-u.ac.jp/ |
■申込方法
埋蔵文化財調査室まで、氏名・住所・電話番号・Emailアドレスをお電話にてお申し込みください。