■埋蔵文化財調査室 調査成果速報展 文京遺跡の解明Ⅱ「戦争の記憶」

このたび、愛媛大学埋蔵文化財調査室は、調査成果速報展「交流の記憶―往来する二千年前の人々―」を愛媛大学ミュージアムにて開催します。埋蔵文化財調査室では、城北キャンパス内の文京遺跡をはじめ、愛媛大学内の遺跡(埋蔵文化財)の発掘調査およびその成果の公開を行っています。本速報展では、文京遺跡から出土した二千年前の各地の土器を通じて、当時の人々の地域を超えたつながりについて、新しい発見を紹介します。その中でも、朝鮮系無文土器は特に注目されており、韓国と日本をつなぐ新たな交流ルートを探ることができます。

日時 平成27年6月3日(水)~平成27年7月27日(月) ※毎週火曜日は休館
会場 愛媛大学ミュージアムエントランス(愛媛大学城北キャンパス内)
時間 午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
入館料 無料
対象 一般の方
駐車場 無(公共交通機関をご利用ください)※報道機関の方でお車で取材に来られる場合は、正門警備室で会社名等をご記入の上、来客用駐車場をご利用ください。

【文京遺跡】  太平洋戦争が終了するまで、城北キャンパス一帯は城北練兵場でした(写真1・2)。文京遺跡の発掘調査を始めると、幅1mほど、深さ0.8m~1mの溝が見つかります(写真3)。小銃の弾丸(口径6.5mm)や薬莢、軍服のベルト金具などが見つかるので、城北練兵場の時代に掘られた溝だとわかります(写真4)。当時は戦場で身を隠し銃弾から身を守る塹壕を掘る訓練を何度も行っていたことから、軍事訓練で掘られた塹壕跡と考えられます(写真1)。

【御幸遺跡】  御幸遺跡の発掘調査では、穴の中から大量の薬莢や模擬手榴弾、そして壊された小銃が出土しました(写真7・8)。御幸寮の敷地は、戦時中、教育学部の前身の一つである青年学校教員養成所(後の愛媛青年師範学校・写真5)だったことから、軍事教練で使われていたものと考えられます。見つかった薬莢はすべて口径が6.5㎜でした(写真9左)。口径6.5㎜の小銃は三十八年式歩兵小銃で、軍事教練の写真にも写っています(写真6)。御幸遺跡で見つかった小銃の破片は三十八年式歩兵小銃の銃身に取り付けられたボルト金具です(写真9右)。見つかった模擬手榴弾は投擲訓練用手榴弾で、安全ピンを抜き雷管をたたく訓練ができる九七式と呼ばれる鉄製模擬手榴弾(写真10左)と投擲専用の重量約500gの鉄製模擬手榴弾(写真10中)、ゴム製模擬手榴弾(写真10右)がありました。

■報道関連

2015年8月21日NHK松山放送局にて取り上げられました。  

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