■調査室の概要

愛媛大学埋蔵文化財調査室は、愛媛大学内の遺跡(埋蔵文化財)の発掘調査およびその成果の公開を目的に設立された施設です。

ここでは、大学構内の施設整備に伴う工事に先立って遺跡の有無を確認し、必要に応じて発掘調査や保護処置を講じています。発掘調査が終わると、発掘記録類の整理、出土した遺物の水洗いや復元、観察・図化などの整理作業を行っています。
以上の成果の一部は、一般の方々を対象とした現地説明会の開催や『愛媛大学埋蔵文化財調査室年報』を刊行し、概要を公開しています。また、精緻な分析・研究を行った上で『発掘調査報告書』を作成し、学術的・社会的責務を果たしています。近年では、大学周辺の小学生を対象とした体験発掘を実施したり、文京遺跡の活用などを通じた地域への貢献活動にも取り組んでいます。
(愛媛大学先端研究・学術推進機構規則愛媛大学先端研究・学術推進機構学術研究会議埋蔵文化財小委員会内規愛媛大学埋蔵文化財調査室規程参照)

■調査室のあゆみ

日付 出来事
1950年頃 文京遺跡で土器が出土することが知られるようになる。
1975年 松山市教育委員会によって文京遺跡1次調査が行われる。
以降、1984年の文京遺跡5次調査までは、松山市教育委員会によって調査が行われる。
1986年 愛媛大学法文学部人類考古学研究室が文京遺跡6~8次調査を行う。
1987年6月 愛媛大学埋蔵文化財調査室が発足。室長下條信行、室員として宮本一夫(法文学部・物質文化論)が着任。
鷹子遺跡1次調査・樽味遺跡1次調査・文京遺跡9~11次調査などの調査が行われる。
1992年1月 田崎博之(教養部・歴史学)が室員として着任。樽味遺跡2・3次調査・文京遺跡12・13次調査などが続く。
1996年4月 教養部廃止に伴い田崎博之室員の所属が(法文学部・埋蔵文化財論)となる。吉田広(法文学部・原始文化論)・三吉秀充(法文学部・先史考古学)が室員に加わる。文京遺跡14・16次調査などの大規模調査が行われる。
1998年7月 「文京遺跡シンポジウム-弥生大集落の解明-」を開催。
一般市民・学生約500名が参加。
1998年10月 文京遺跡一部保存が決定する。
2000年5月 文京遺跡解説プレートが設置される。
2001年~2003年 文京遺跡体験発掘を開催する。
2005年 公開講座「文京遺跡から学ぶ」開始。
2008年3月 下條室長停年退職。
2008年4月 田崎博之が室長となる。
2009年4月 愛媛大学ミュージアム設置に伴い、吉田広調査員が兼任調査員となる。
2009年~2012年 文京遺跡39次調査・40次調査・45次調査、御幸遺跡1次調査などの大規模調査が続く。
2014年2月 柴田昌児(法文学部・考古学)が室員として着任。
2014年4月 愛媛大学先端研究・学術推進機構の所属となる。