■埋蔵文化財調査室 調査成果速報展 文京遺跡の解明「交流の記憶―往来する二千年前の人々―」

現在、埋蔵文化財調査室では、大学構内遺跡の発掘調査報告書の刊行に向けた整理作業を進めています。その中間成果報告をミュージアムエントランスでスポット展示しています。今年度は「記憶」をキーワードとして、3回の展示を計画し、第1回「交流の記憶」を6月3日から8月17日まで開催しています。8月19日に始まる第2回は、愛媛大学城北キャンパスにある文京遺跡と学生寄宿舎御幸寮がある御幸遺跡で発見された昭和時代に入ったころの戦争に関連する遺構・遺物を展示します。

日時 平成27年8月19日(水)~平成27年10月26日(月) ※毎週火曜日は休館
会場 愛媛大学ミュージアムエントランス(愛媛大学城北キャンパス内)
時間 午前10時~午後4時30分(入館は午後4時まで)
入館料 無料
対象 一般の方
駐車場 無(公共交通機関をご利用ください)※報道機関の方でお車で取材に来られる場合は、正門警備室で会社名等をご記入の上、来客用駐車場をご利用ください。

今から約二千年前、弥生時代中期後葉から後期後葉の大規模集落である文京遺跡の12・16次調査では多くの外来系土器が出土しました。外来系土器には瀬戸内海沿岸各地をはじめ、四国西南部や東南部九州の弥生土器が含まれていました。

特に大分県から宮崎県を経て鹿児島県大隅半島に分布する東南部九州の弥生土器が多く出土しています。土器の多くは持ち込まれたものでしたが、中には文京遺跡周辺の粘土で作った土器も含まれていました。これは土器を作る人々が渡ってきたことを物語っており、東南部九州との密接な交流がうかがえます。

さらに注目できるのは東アジア的規模の交流を示す朝鮮系無文土器の出土です。この土器は朝鮮半島南部、蔚山地域の達川遺跡に類例があります。どのように文京遺跡に持ち込まれたのか、そのルートと経由地の特定が今後の研究課題になりました。 こうした多彩な外来系土器の出土は、人・モノ・情報が行き交う交流・交易の拠点として展開した文京遺跡の実態をよく表しています。

■報道関連

2015年6月3日NHK松山放送局にて取り上げられました。

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